炎のシークエンス
うわぁ。あんなに燃えてる炎の中に飛び込むなんてすごい。この距離だって結構な熱さを感じるのに。
……不謹慎だけど、カッコいい。


わずか数分。だけどひどく長く感じた。かたずを飲んで人々が見守る中、小柄な女性を抱きかかえるように消防士が炎の中から戻ってきた。わあっと歓声があがる。

次の瞬間、ドンと大きな音がしてひときわ大きな炎の柱が夜空に立ち上がる。
これ、危機一髪だったんじゃない?


女性はうつろな目で炎の柱を振り返って見てる。その女性に管理人のおばあちゃんが泣きながら抱きついた。

無事でよかった。生きてて、よかった。
そんな声が聞こえてくる気がする。

救助した消防士に何か話しかけられると、女性は待機していた救急車へと向かっていく。


その時、その消防士とふと目が合った。消防士は顔までしっかりとガードしているけれど、目もとだけが見えた。その目がひどく驚いている。

私もその目に見覚えがあった。
切れ長で笑うと線になってしまう。愛嬌のある優しい目。

「まさか、連太郎?」

思わずつぶやいた名前は、大事な幼なじみの名前だ。
消防士が小さくうなずいた。

やっぱり連太郎だった。

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