炎のシークエンス
「あれ?心春(こはる)?なんだよ、珍しくスカートじゃん。どっか出かけた帰りか?」


不意にジョギングをしていた男性が、すれ違いざま声をかけてきた。


「連太郎!」


彼は、赤城連太郎(あかぎ れんたろう)。
小学生の頃からの幼なじみ。ワイルドな雰囲気だけど、細くて笑うと線になってしまう愛嬌のある目がチャームポイント。
なんて、いいところで会ったんだ!


「連太郎、付き合って!」
「え?おい、ジョギング中なんだけど……」


かなり強引につかまえる。

連太郎を連れてもう一度駅前に戻れば、居酒屋はちょうど開店していた。






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