炎のシークエンス
※※※
「理想の会社員に振られた、か」
俺の知らぬ間に、いつ理想の会社員とやらと知り合ったんだろう。まぁ、おそらく桃子がからんでいるんだろうけど。
目の前で怒りも露わに頷く心春。
振られたわりに元気でホッとする。
「車で迎えに来てくれたの。
車に乗った瞬間、いきなりクサイって言われたんだよ。どんなにおいか聞いたら、オイルとか塗料とかの入り混じったにおいって。
で、車ににおいが付いたら嫌だって、降ろされた。どんだけ車が大事か知らないけど、ひどくない?」
一気にまくしたてる心春。こんなに可愛い心春にクサイだなんてロクなやつじゃねぇな。
ま、そんなヤツに引っかからなくてよかった。
「工場のにおいが体に染みついちゃってんのかなぁ。一生懸命働いてる証拠なのにな」
「だよねぇ。
あーあ、車好きだっていうから気が合うと思ったのに。においで振られるとは思わなかった」
心春の家は自動車整備工場をしている。近所に住んでるせいもあって、工場のにおいは鼻が慣れてしまって感じない。
「理想の会社員に振られた、か」
俺の知らぬ間に、いつ理想の会社員とやらと知り合ったんだろう。まぁ、おそらく桃子がからんでいるんだろうけど。
目の前で怒りも露わに頷く心春。
振られたわりに元気でホッとする。
「車で迎えに来てくれたの。
車に乗った瞬間、いきなりクサイって言われたんだよ。どんなにおいか聞いたら、オイルとか塗料とかの入り混じったにおいって。
で、車ににおいが付いたら嫌だって、降ろされた。どんだけ車が大事か知らないけど、ひどくない?」
一気にまくしたてる心春。こんなに可愛い心春にクサイだなんてロクなやつじゃねぇな。
ま、そんなヤツに引っかからなくてよかった。
「工場のにおいが体に染みついちゃってんのかなぁ。一生懸命働いてる証拠なのにな」
「だよねぇ。
あーあ、車好きだっていうから気が合うと思ったのに。においで振られるとは思わなかった」
心春の家は自動車整備工場をしている。近所に住んでるせいもあって、工場のにおいは鼻が慣れてしまって感じない。