【短編】今宵、君の腕の中




「自覚、あるんだろ?」


「ある、けど…隼は、イヤだったの?だから…、私を避けてたの?」


「はぁー…、そうじゃなくて。
姶良が構ってほしいとか…、甘えたくてそうしてるのはわかってるんだけどさ?」


「わかってるんなら、いいじゃない…。」


「よくないから、避けてたんだって。姶良は、就活で大変な時だろ?」




盛大な溜息を吐く隼の腕の中で、私は眉根を寄せる。


確かに、私はまだ専門学生だし就活真っ只中だけど、それとこれとは関係ないでしょ?




「何がよくないのよー…、全然わかんない。」




隼が何を言いたいのか全然伝わってこなくて、私は不満を露にしていた。



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