仕方なく結婚したはずなのに貴方を愛してしまったので離婚しようと思います。


 玲司は穂乃果の腰を持ち上げると何度か腰を打ち付け、息を詰らせブルッと身体を震わしたその瞬間に勢い良く雄笠は引き抜かれへたりと倒れ込む穂乃果の背中に白濁の水溜りをつくったのだ。


「あ……背中……」


 背中がじわりと熱い。あんなに最初子供が欲しいと断言していた玲司はまだ穂乃果の中に熱い欲望を放ちはしていなかった。
 玲司は汗ばむ穂乃果の身体を優しく丁寧に拭く。けれど敏感になっている穂乃果の肌はタオルで触られるだけでもビリっと感じてしまっていた。でもそれを気づかれないように息を呑む。


「この前みたいに熱をだしたら大変だからね」
「あぁ……」


 初めて玲司に抱かれた次の日、穂乃果は熱を出した。そのことを気にしているのかしっかりと身体を拭かれ、パジャマを着せ直してくれた。


「穂乃果、おいで」


 ついさっきまで二人で乱れていたベットに横たわり、玲司は穂乃果を抱き寄せる。もう抵抗する余力もない穂乃果は玲司の腕の中に力なく横になった。嬉しそうに微笑む玲司。頭を優しく撫でられなんだか眠くなってきた。穂乃果は微睡む瞼に逆らわずに瞳を閉じた。
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