翠も甘いも噛み分けて
当時の思い出話に花を咲かせながら、翠は用意されたスイーツに手をつけた。さっくりとした食感のマカロンは、クリームの中に練り込まれている桜の香料が口の中で広がり、季節を楽しませてくれる。抹茶のケーキも、小豆がアクセントとなり、いくらでも食べられる。
一口ケーキを口にしたら、もう翠の手は止まらない。あっという間に食べ終えると、幸成は目を丸くした。
「相変わらずの食いっぷり、嬉しいねえ。でもさ、俺、これでも有名パティシエなんだよな。もっと味わって食えよ?」
「だっておいしいんだもん、さすが有名パティシエ。てかさ、考えてみたら私って贅沢だよね。パティシエになる前から高橋くんの作るスイーツ食べてたんだもん。これってすごいよね? 昔も言ったと思うけど、もうこれみんなに自慢してもいいよね?」
コーヒーカップに手を伸ばすと、そっと息を吹きかけて冷ましながら口に含んだ。甘い物を食べるとどうしても喉が渇く。コーヒーの苦みが、口の中の甘さを中和するとともに、コーヒーの香ばしい香りと洋菓子の甘い香りのセットは、翠をとても幸せな気持ちにしてくれる。
「そうだな、俺がこの道に進もうと思ったのは、スイのおかげだもんな」
幸成の言葉に翠はコーヒーカップを落としそうになった。きっとあの日のことを言ってるに違いない。翠は、そっとコーヒーカップをテーブルの上に戻した。
一口ケーキを口にしたら、もう翠の手は止まらない。あっという間に食べ終えると、幸成は目を丸くした。
「相変わらずの食いっぷり、嬉しいねえ。でもさ、俺、これでも有名パティシエなんだよな。もっと味わって食えよ?」
「だっておいしいんだもん、さすが有名パティシエ。てかさ、考えてみたら私って贅沢だよね。パティシエになる前から高橋くんの作るスイーツ食べてたんだもん。これってすごいよね? 昔も言ったと思うけど、もうこれみんなに自慢してもいいよね?」
コーヒーカップに手を伸ばすと、そっと息を吹きかけて冷ましながら口に含んだ。甘い物を食べるとどうしても喉が渇く。コーヒーの苦みが、口の中の甘さを中和するとともに、コーヒーの香ばしい香りと洋菓子の甘い香りのセットは、翠をとても幸せな気持ちにしてくれる。
「そうだな、俺がこの道に進もうと思ったのは、スイのおかげだもんな」
幸成の言葉に翠はコーヒーカップを落としそうになった。きっとあの日のことを言ってるに違いない。翠は、そっとコーヒーカップをテーブルの上に戻した。