翠も甘いも噛み分けて
「あのな……非常に言いにくいことなんだけど、翠、俺な、さっき、翠に内緒で翠の上司に言ったことがあって……」
幸成の言葉に、翠は抱擁の手を解いた。幸成の隣の席の椅子に座り、話の続きを促した。相変わらず幸成の口調は重い。
「すごい勝手なことを言った自覚はある。でも、言わずにはいられなくて……今日のアイツが会社に在籍している以上、安心して翠を会社勤めさせられないし、翠の意思を確認せずに思わず言ってしまったんだ」
翠は幸成の表情を見てなんとなく、なにを言ったのかは察したけれど、きちんと本人の口から聞きたかった。
「会社側が、今回の件をきちんと処理しないなら、こっちも法的に訴える構えだって、つい……もしこれで、会社に居づらくなったらいつでも仕事辞めてもいいぞ。翠を腹いっぱい食わせるくらいの甲斐性はあるつもりだから」
さっきも会社の人に勢いで『婚約者だ』と言った手前もあるしな、と、ボソボソと呟きながらも、幸成の表情はいつになく真剣だった。
幸成の言葉に、翠は抱擁の手を解いた。幸成の隣の席の椅子に座り、話の続きを促した。相変わらず幸成の口調は重い。
「すごい勝手なことを言った自覚はある。でも、言わずにはいられなくて……今日のアイツが会社に在籍している以上、安心して翠を会社勤めさせられないし、翠の意思を確認せずに思わず言ってしまったんだ」
翠は幸成の表情を見てなんとなく、なにを言ったのかは察したけれど、きちんと本人の口から聞きたかった。
「会社側が、今回の件をきちんと処理しないなら、こっちも法的に訴える構えだって、つい……もしこれで、会社に居づらくなったらいつでも仕事辞めてもいいぞ。翠を腹いっぱい食わせるくらいの甲斐性はあるつもりだから」
さっきも会社の人に勢いで『婚約者だ』と言った手前もあるしな、と、ボソボソと呟きながらも、幸成の表情はいつになく真剣だった。