天才脳外科医はママになった政略妻に2度目の愛を誓う
 仕上げにほんの少しお醤油をかけると、ホットプレートから香ばしい香りが立ち上る。

「おおーいいな、醤油が焦げた匂い。食欲が湧く」

「はい、どうぞ」

 お皿に焼きおにぎりを乗せると、早速啓介さんは熱がりながら手でおにぎりを取り頬張った。

 その仕草がおかしくて、あははと笑う。

「熱いでしょうに」

「それがいいんだよ」

「啓介さん、私ってちっともお嬢様らしくないから驚かなかった?」

「別に? むしろうれしかったよ。飾らない姿を見せてくれて。それに君はどこからどうみてもお嬢様だ」

 啓介さんはにっこりと微笑む。

「気づいてないか? 君は振る舞いのひとつひとつに品がある。なにを食べるとかそういう価値観ではなく、君は純粋無垢なお嬢様だよ」

 私はかぶりを振った。

「違うの」

 言わなきゃダメ。本当の自分を知ってもらわなきゃ。

 たとえそれで啓介さんにがっかりされたとしても。本当の私を知ってほしい。

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