天才脳外科医はママになった政略妻に2度目の愛を誓う
 彼女は受け取ったハサミで赤ちゃんの髪を少し切り袋に入れる。お義母さまにハサミを返して髪の入った袋を渡すまで、終始堂々としていた。

 赤ちゃんがぐずり始めたところで、母たちに促され彼女は席を立つ。

「あなたがなんと言おうと、私は彼を信じています」

 私は最後にはっきりと自分の気持ちを言った。

 もう二度とこの人には振り回されない。

「そう、ご自由にどうぞ」

 フッと笑った小鈴はクルッと背を向ける。



「ごめんなさい。本当になんと――」

 島津のお母さまが頭を下げようとするが、私は「お母さま、謝らないでください」と遮った。

 不思議なほど私の気持ちは落ち着いている。

『違う』と言いきる啓介さんの声が聞こえる気がして仕方がない。

「啓介さんは、彼女が言ったような卑劣な行動をする人ではありません」

 隣で母が「莉子? あなたまだ」と呆れるが黙ってはいられない。

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