天才脳外科医はママになった政略妻に2度目の愛を誓う
「でも」

「すべてを解決して、啓介さんが迎えに来たらやり直したらいい」

「お母さん」

「莉子、私の言うことは間違ってる? 啓介さんを信じるなら軽井沢で待ちなさい」

 母が間違っているとは言えなかった。

「あの鈴本小鶴という女性、彼女が嘘をついているとしても真実だとしても、異常よ。莉子、あなたは乃愛を守らなきゃいけないの。わかるでしょう? 病院をどうするかは私が院長と話しておくから、あなたは心配しなくていい」

 母は心から私を心配している。意地悪で言ってるわけじゃないとわかっているだけに心が痛い。

「わかった。だけどその前に啓介さんとちゃんと話をさせてくれる?」

 母が啓介さんの顔を見たくないなら、ここには帰らないよう啓介さんには伝えると話した。

「莉子がそこまで言うなら、私も啓介さんの話を聞きたいわ」

「お母さん」

「ここまできたら見届けないとね。啓介さんは乃愛の父親なんだから」

「ありがとう、お母さん」

 それからすぐに啓介さんにメッセージを送った。

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