天才脳外科医はママになった政略妻に2度目の愛を誓う
 話の内容には触れず、お義母さまと鈴本小鶴と四人で会ったという事実だけを書いた。

【啓介さんを信じている。帰ってきたら話をしましょう】

 今、啓介さんはオペ中なので、このメッセージを見るのは夕方になると思う。

 おそらく島津のお母さまも啓介さんに連絡を取るだろうし、もとから実家に帰る予定でいたから、今日はここへは帰らないかもしれないが。

【心配しないで、お母さまを安心させてあげてね。私は大丈夫だから】

 どうか私の気持ちが伝わってほしいと願いながら、最後に【あなたを愛してる】と書いた。



 啓介さんから電話があったのは、夜の九時過ぎだった。

「啓介さん、大丈夫なの? お母さま」

『ごめんな莉子。戻ったら説明する。もしかするとすぐには帰れないかもしれないが』

「うん。わかった。私は大丈夫だから」

『すまない』

 そのまま、啓介さんからは連絡が途絶えた……。



 結局、啓介さんと会えたのは三日後の夜八時だった。

「お帰りなさい」

「ただいま」

 母も軽井沢に戻らず邸にいる。

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