天才脳外科医はママになった政略妻に2度目の愛を誓う
 お相手は三十代後半のバツイチの内科医。前の奥様はご病気で五年前に他界したという。身上書によれば身長は一七〇センチくらい。写真の彼は中肉中背で穏やかな表情の人だ。

 真知子先生は「研修医のころお世話になった先輩でね。とても優しい方なんです。物腰も穏やかだし」と言う。

 見た目通りの方のようでホッとする。真知子先生はあまりお世辞を言うような人じゃない。人柄の良さは保証されたようなものか。

「奥さんが亡くなって五年。ようやく見合いをする気になったんだなぁ」

 彼女の言い方からして、仲の良いご夫婦だったんだろう。

 もし、亡くなった奥さまを変わらずに愛している方でもいいと思う。お互いに心の傷を癒せたら、それで十分。

 そんなパートナーの形が私には向いている。今更恋をする気はないのだから、落ち着いた気持ちで家庭を築いていくには、そういう人の方がいいのだ。

 乃愛を受け入れてくれるというお話だし。それがなによりだもの。

 心の中で納得していると、私の内線電話が鳴った。

< 217 / 286 >

この作品をシェア

pagetop