天才脳外科医はママになった政略妻に2度目の愛を誓う
 エレベーターに乗って高層階に行き、レストランのウエイターに予約を告げるとすぐに案内された。

 と、その時「おひとりですか」と、別のウエイターの声に何気なく振り向いた。

 えっ! うそ、なんで。

 ひとりだという客はなんと、啓介さんだった。

 しかも彼は私と目が合うとにっこりと微笑む。

「パッパー」

 乃愛が啓介さんに手を伸ばす。

 ああ、もう。最悪だ。

 無視も出来ず、お見合い相手に先に行ってほしいと告げて、啓介さんを振り返った。

 なにか言いたいが言葉がでない。

「ここに泊まっているんだ」

 嘘、だって一昨日聞いたときは別のホテルだったはず。ホテル名を聞いて私はホッとしたんだもの。

「昨日ホテルを変えたんだ」

 そんな……。よりによってなぜよ。

「パパ、だっこ」

 啓介さんが私から乃愛を抱き上げる。

「お、パパがプレゼントしたぬいぐるみじゃないか」

 啓介さんは乃愛が好きな高い高いをして、乃愛を喜ばせる。

「啓介さん」

 呆れて彼を睨む。

< 268 / 286 >

この作品をシェア

pagetop