天才脳外科医はママになった政略妻に2度目の愛を誓う
 啓介さんには珍しく皮肉な笑みを浮かべる。

 家の雰囲気が、私の実家とは違うのかな?

 島津のお父様は少し怖そうだ。結婚の挨拶と結婚式でしか会っていないが、なんというか、強い存在感があった。

 島津のお屋敷は敷地も邸も我が家の倍はあったと思う。築年数は相当経っていそうな純和風の家で、使用人の数も多くてまるで高級旅館のようだった。旧華族の家柄だというから、お父様からにじみ出る風格も遺伝のように受け継がれたのだろう。

 お見合いの席で啓介さんが着物を着こなしていたのも納得できた。お出迎えしてくれたお父様は着物だったし、庭にあった茶室でお茶を点ててくださった。啓介さんも着物でお茶会という優雅なひと時を過ごしていたに違いない。

 島津の家について私はまだよくわかっていない。

 啓介さんが病院を引き継いでくれたとはいえ、啓介さんは山上家のお婿さんではない。私も島津莉子になったのだから少しずつでも知りたいと思う。でも、なかなか話を聞く機会がない。

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