天才脳外科医はママになった政略妻に2度目の愛を誓う
 仕事を辞めてから曜日は関係なくなり、こうして啓介さんを待つだけの日々を過ごしている。

 なにか始めようかとも思うが、出かけている間に啓介さんが帰ってくるかもしれないと思うと、つい思い留まってしまう。

 そしてなかなか帰らない啓介さんを想い、不安になってしまうのだ。

「だめだね。こんなんじゃ」

 起き上がり両頬を叩くと、ルルルと家の電話が鳴った。

 実家では電話は家政婦さんが出てくれた。

『お嬢様、電話は留守番電話に切り替わって、重要と思われるものだけ出ればいいんですよ。大事な方はスマートフォンにかけてきますから』

 忠告を守っているが、実際投資やなにかの営業ばかりで、一度も重要な電話はない。

 今日も他愛もない営業電話ならいいが……。

 呼び出し音が数回続き、録音モードに切り替わった。

 耳を澄ませると、ガサガサと雑音がしてクスッと笑い声が聞こえてくる。

 この感じはまたあの電話に違いないと、心に暗幕が落ちる。

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