火の力を持つ国王様は愛も熱い


イヤホンを片方だけ耳に着けて音楽を確認する。

「電気の力すごい…これが自動で動くんだ。俺も聞いても良い?」

「うん…今貸すね」

「その小さい玉から聞こえるの?」

アクアは私の着けていない方のイヤホンを耳に着ける。

これ……

ライマーレでは恋人同士こうして音楽を楽しむのが女子の憧れとなっていて、まさかアクアとそれをやるとは思ってなかった。

「本当に音楽が流れてる!」

オーディオプレーヤーはうちの国では当たり前の物だけど、それに感動してくれているアクアは可愛かった。

「これ、両耳に着けると周りの音気にならなくなるよ」

「へぇ…本当だ!」

アクアにもう片方渡すともう片方に着けてまた感動している。

生演奏の方が音質とかは断然良いけど、こんなに感動してくれるのは嬉しい。

すると、アクアは片方のイヤホンを外して私に差し出した。


「片方ずつ着けたら一緒に聞けるし、話出来るよ」

「…そ、そうだね?」

「この曲ライマーレで流行ってる曲?すごい良い曲…ヴォーカルの人の声も良いね」

「そうなの!クラシックじゃないからあんまり馴染みないかもしれないけど、好きなアーティストの曲なんだぁ…五年前に活動休止しちゃったけど」

曲が終わるとアクアは純粋な表情で小さく拍手をする。

「ふふ…これ今実際に演奏してるわけじゃないから拍手しなくても良い曲だなぁって思ってくれたらいいんだよ」

「そうなのか、でも素晴らしい演奏と歌声だったよ!他の曲もあれば聞いてみたいな」

「そしたらこれあげるよ、私予備も二つ持ってきてるから。充電する時は持ってきてくれたら出来るし」

「じゅうでん…?」

「あ、これ電気で動いてるから貯めてる電気のエネルギーがなくなると動かなくなっちゃうの」

「へぇ…でも自国から持って来た大事なものだし、貰ったら悪いよ」

「散々良くしてもらってるし、新品じゃなくて申し訳ないけど貰って?」

「…ありがとう、大切に使うよ」

アクアは喜んでくれたけど、あとからよく考えたら第一王子にこんな使いかけの物あげるなんてちょっと失礼だったかなと反省する。

今度、ライマーレから新しいの送ってもらって改めてそっちプレゼントしよう…

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