火の力を持つ国王様は愛も熱い
「だって…だって私………実は……私、雷の力がすごく弱いの……だから昔から王族として出来る事がほとんどないの…ヒグッ……ここに住んでたって蓄電器に補充も出来なくて…」
感極まってアクアに弱いところを見せてしまった…こんな事言って良かったのかわからないけど…
「そっか…でもさ、ルーナの力が弱くたって御両親はルーナの事役に立たないとかそんな事思ってないと思うよ」
「言わないけど思ってるよぉ…他の王族の親戚の人達にその事で嫌味言われて、私をこっちに追いやれて良かったと思ってるよ…」
「もし仮にそうだったらあんなにしょっちゅう理由つけて会いに来ないよ。実は俺もルーナと似てて、生まれつき火の力を使えないんだ」
「そうなの…?」
確かにアリスはよく活用しているのに対してアクアが火の力を使っている場面は見た事がない。
「そんな事私に言って良かったの?」
「良くないけど、ルーナが自分の秘密打ち明けてくれたからこれで同じ立場になれるから。でも、ルーナの力の事俺以外に話したら駄目だよ?この話は俺達二人だけの秘密だ」
そうか…私の弱味握ってるみたいになっちゃうから…アクアも自分の秘密を話してくれたんだ。
アクアの腕が緩んでアクアを見るとアクアに見つめられる。
…アクアって絶対目見るから、こんなに目を合わされると勘違いしそうになる。
「……?」
アクアの顔が近いたかと思うと、何と唇が重なっていた。
!?!?
完全に思考停止してしまって、唇が離れてからまたやっと考える事が出来るようになる。
そうだ!きっと今何か取ろうとして前屈みになったら間違えて唇が重なっちゃったんだ…事故?
何とか気を取り直して落ち着いてもう一度アクアを見ると顔が真っ赤だ。
「……こんな言い方ずるいかもしれないけど、嫌だったら押し返して?」
「へ……ンッ」
また唇が重なってしまう…
事故じゃない…私、アクアとキスしてる!
キスをしながらアクアの手が私の手を握ると、私はそれに応えるように手を握り返した。
すると、口付けは深くなる。
何これ……アクアのキスすごく気持ち良い…
例えて言うならアクアに溺れてしまいそう。
キスってこんなに気持ち良いものだったんだ。
ソファに押し倒されると、アクアはハッとした顔をして私から離れた。
「ごめん……ここまでするつもりはなくて…これ以上すると抑えられなくなりそうだから止める…」
「へ、平気!そうだ、充電の途中だった…」
こういう時どうしていいか分からなくて急いで本来の目的だった充電作業に戻る。
気まずいのに途中で充電中断してたからまだ時間掛かっちゃいそう…
手をかざすとすぐに充電完了のサインである緑色のランプが光った。
あれ?さっき無意識に手離しちゃってたから充電出来てたのかな?
「えっと…充電出来たし、部屋戻るね?」
「あぁ…部屋まで送る」
「すぐ近くだから大丈夫だよ」
「近くでも何かあったら嫌だから…」
アクアの部屋から数メートルしか離れていないのに、律儀に送って貰ってしまう。
さっきの事が頭から離れなくて、二人とも何も黙ったまま私の部屋の前に到着する。
「…色々ありがとう」
「いや……あのさ、明日の放課後街行かない?」
「うん?何か買う物あるの?」
「うん、それじゃ…おやすみ」
「おやすみ…」
アクアは去る前に私の唇にチュッと軽くキスをして、珍しく目も合わせずにさっと自分の部屋へと帰って行ってしまった。