火の力を持つ国王様は愛も熱い
「アル君、お城出る前にもう1つお仕事あるからもう少し待ってもらってもいいかな?」
この片付けが終わったら、エドワード王様の今日の謁見用の服を取りに行って着替えの仕事が残っている。
「どうせエドワード王様の世話だろー?そんなのやらなくていいよ!エマが専属になる前全部一人でやってたし!」
「そういうわけには…」
「そんなのいいから向かう前に俺と城下町でデートしようよ」
「おい、アル!エマに抱き着くな…マセガキめ」
エドワード王様はバスローブ姿で後ろに立っていた。
「エドワード王様っ…申し訳ございません、すぐ戻ります!」
こんな洗い場にどうしてエドワード王様が来ているんだろ…って私が遅いから!?
「エドワード王様さぁ、エマに甘え過ぎじゃない?他の王族と違って何でも自分でやるエドワード王様が格好良かったのにさ」
エドワード王様とアル君はアル君が小さい頃から仲が良くてお友達なんだそうだ。
「エマに仕事を与えるのも俺の役目なんだよ。それはそうとエマの事迎えに来たのか?」
「そうだよ」
「ありがとな。俺もエマがまた怪我しないか心配だったから迎えに来てくれて助かる」
エドワード王様にまで心配されてた…。
まだ子供のアル君だって一人でお城まで来られるのに。
「折角迎えに来てくれてるし、このままアルと向かって構わないぞ。アル、迎えに来てくれた礼だ。帰る途中城下町で好きな物買うといい」
エドワード王様はそう言うとアル君にコインを渡した。
「良いの!?やったー!エドワード王様ありがとう!」
「エドワード王様…お着替えの方はよろしいのでしょうか?」
「あぁ、先方の都合で急遽謁見がなくなったからな。護衛兵と会議を済ませたら俺もそっちに向かうから向こうで待っていろ」
「畏まりました」
「なーんだ、帰りも俺がエマの事送ろうと思ってたのに迎えに来るのか」
「な、なるべく自分で取りに行きたいだけだ!」
「はいはーい、エマ行こう?」
「はい…それでは行ってまいります」
「道中気を付けるんだぞ」
私はアル君と一緒にお城を出た。