火の力を持つ国王様は愛も熱い



「……本心ではエドワード王様の恋人になりたいです」

「身分の事は心配するな、しばらくは所謂秘密の関係だな」


エドワード王様の恋人なんて信じられない…


「今日はエマも疲れただろ。食事をしてゆっくり休もう」

「はい」


エドワード王様と食事を取り、いつもの様に浴槽に水をはり、お風呂の準備をする。
すると、エドワード王様が浴室に入ってきた。


「もう準備が整いますので……エドワード王様……?」


浴槽の準備をしているとエドワード王様に突然後ろから抱き締められる。


「……一緒に入るか?」

「へぁッ!?いけませんっ」

「恋人同士なんだから問題ないだろ」

「でも…」

「いや、やはり止めておこう……歯止めが効かなくなる。風呂は一人で入るからエマも風呂に行って来い」

「は、はい……畏まりました。行ってまいります」


エドワード王様はパッと離してご自身のお風呂の支度を始めた。

歯止めが効かなくなるって?

使用人用の浴室で湯に浸かりながらエドワード王様の事を考える。

そういえば…今はエドワード王様に決まった人はいないけれど、今後ご結婚されたら私と毎日キスするのはいくら命が掛かっているとはいえいけない事だ。


エドワード王様がご結婚なんて悲しくて辛いけれど、その時になったら受け入れないといけないし……


あ、そうか。お相手がいない今。
恋人同士の間にエドワード王様と身体を重ねたらエドワード王様はお薬もキスも必要無くなる。

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