火の力を持つ国王様は愛も熱い
抱きしめられている腕が緩むと、エドワード王様は私の額にチュッとキスをした。
「…まさかエマに夜毎を誘われるとはな」
「申し訳ございません…あの…」
「エマからの誘いは大歓迎だけど、俺は結婚するまで手を出すつもりはない」
「…ご結婚されるまで?えっと?もう決まった方が…」
「何言ってるんだ?俺とエマに決まってるだろ」
「えっ!?」
「結婚相手が俺では不服なのか?」
「そんな訳ありません…でも…私はいくら水の国の王族の末裔と言っても既に滅んだ国で…」
すると、エドワード王様と唇が重なって言葉を遮られる。
また…キスされちゃった……
こんな時なのにドキドキしてしまう。
「俺はエマ以外と結婚しない。エマが俺と結婚したくないのなら生涯結婚しないし、エマが俺が王族だからという理由で結婚してくれないのなら王位はローレンスに譲って家を出る」
「そんな!いけません!……私なんかの為に…」
「仕方ないだろ。初めてエマと出会った時からずっとエマの事愛し過ぎてどうしようもないんだ…身分の事は俺が必ずどうにかするから俺との結婚の事だけ考えてくれ……っつー事で、結婚の返事は今すぐで無くて構わない。今日は初めて会った日の夜の様に寝付くまで話をして過ごそう」
エドワード王様の深い愛情が伝わってきて、涙が溢れてしまう。
「ヒックッ…ふぁい…」
そんな私にエドワード王様は手を握ってくれてベッドの中で優しく抱き締めてくれる。