火の力を持つ国王様は愛も熱い


船に乗って1週間。


到着した場所には海岸のない絶壁にフェリーがあって、海は荒れていて自分の国のキラキラした海岸が広がる美しい海が恋しくなる。

フェリーも貿易商の人と城の兵士とかが仕事の為だけに行き交っていて何も面白くない。
そして、想像以上に寒い。

フェリーの真ん中に大きな聖火台があり、そこに灯る炎の近くに行くと優しく暖めてくれるような気がした。

そこから馬車で3日。
流石にかなりの初めての長旅で途中宿に泊まりながらでも疲れてしまった。

お城へ到着して外に出ると雪が積もっているのをここで初めて目の当たりにする。

わぁ…真っ白で綺麗…これが白銀…
ううん!うちの国の海の方が綺麗だし!

頭を振ってお城の中へ進んだ。


そして……


婚約相手のローレンス王子と初めて顔を合わせた。


どうしよう……美少年過ぎて……王子様過ぎて……見れない……この人が私の婚約相手なの!?手にキスした!?!?

こんな美少年自分の国では見た事がない…

御挨拶をしてくださるローレンス王子を気持ちを落ち着かせてからもう一度改めて見る。

そうだ。
これは所謂政略結婚だ。

こんな美麗な人国の女性達が放っておかないし、私との結婚なんて向こうもどうせ乗り気なわけがない。

どうせ結婚後も不倫しまくるに決まってる!
うちの国の二番隊の騎士隊長も強くてすっごく
モテていて奥さんいるのに不倫しまくりだもん!モテる人はみんな絶対そう!

下手に好きになってこんな誰も知り合いのいない異国の地で惨めな思いしたくない。

ローレンス王子の事なんて絶対好きにならないし、好きな素振りも見せないんだから!

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