あなたを憎んでいる…でも、どうしようもなく愛してる
「私、神宮寺さんと結婚するの…少し理由があって、正式には書類上もう夫婦なの。お父さんとお母さんに、それを認めてもらいたいの。」
私の言葉に続いて、悠斗さんも姿勢を正して、父と母の目の前に立った。
「ご挨拶が遅くなりましたが、どうか桜さんと結婚させてください。…必ず幸せにすると、この場で誓います。」
暫くの沈黙後、声を出したのはお父さんだ。
お父さんもお母さんも、驚きで声が出なかったようだ。
「神宮寺君、不束な娘ですが、どうぞよろしくお願いします。私が幸せにできなかった分、幸せにしてやってください。」
お父さんの言葉を聞き、お母さんも大きく頷き笑顔を出してくれた。
「桜…あなたが選んだ方ですから、反対なんてしないわ…それに私は大きな誤解をしていたのね…。」
お母さんは、さらに悠斗さんの方を向いて話し始めた。
「神宮寺さん、先程まで失礼な態度をとってしまって…申し訳ございませんでした。自分が恥ずかしいわ…これまで沢山、私達家族は貴方にお世話になっていたのですね。ありがとうございます。…驚いたけど、桜もよろしくお願いしますね。」
「はい、桜さんは私の命に代えても守って幸せにします。」
お父さんもお母さんも微笑んでくれている。
そして、悠斗さんの言葉に私の心臓も大きな音を鳴らした。