あなたを憎んでいる…でも、どうしようもなく愛してる
“カチャッ”
大きなドアのわりには、滑らかな音でドアは開けられた。
すると、部屋の奥にある大きなデスクから祥子が立ち上がった。
祥子は、私と須藤に向かって鋭い視線でこちらを睨んでいるようだ。
「あら、お二人そろって何の用かしら…私も忙しいから、手短にお願いしたいわ。」
須藤は、祥子を真っすぐ見て言葉を出した。
「進藤社長、お忙しいところ申し訳ございませんが、あなたに伺いたいことがあります。」
「何を聞きたいの?」
「ご自分で分かっているのではないでしょうか?…神宮寺を返してもらいたい。」
すると、祥子はクスクスと不気味に笑い出した。
「何を言うのかと思ったら…返すもなにも、神宮寺社長がどこにいるかなんて、私は知らないわよ!それに…そこにいる女は、悠斗が彼女だって言ってたわよ…あらぁ、何も聞いてないの?捨てられちゃったのかしらね。」
「知らないだと…本当に知らないのか?」
須藤は、祥子に近づき腕を掴んだ。
「ほ…本当に…知らないのよ…どこかに逃げたわ。」
「逃げたとは、どういう事だ…このまま警察に行ってもいいのか?」
祥子は腕を掴まれた上に、警察という言葉に動揺しているようだ。
顔を真っ赤にして、目には涙を浮かべている。
「話すから…この手を放して!」
須藤が手を離すと、祥子は横に置いてあるソファーに、勢いよく音を立てて座った。