あなたを憎んでいる…でも、どうしようもなく愛してる
間もなくして車は、お父さんの入院している病院へと到着した。
お母さんを病院の車椅子に乗せて、私達はお父さんの病室へと向かった。
お母さんは、まっすぐ前を見て何も話をしようとはしない。
少しだけ、どこに行くのかと周りをみょろきょろと見渡したが、何も言葉は出すことが無かった。
そして、父の病室のドアの前で、私はお母さんの目の前に立った。
悠斗さんは後ろから私達を見守るように立ち、大きく頷いた。
「お母さん、何があっても驚かないでね。」
「桜、何を言っているの…誰が入院していると言うのよ!」
病室のドアをノックした私は、ゆっくりとドアを引いて開ける。
お母さんは全く意味が分からないようで、さらに怪訝な表情をした。
車椅子を押して、部屋の中に入った。
そこには、ベッドの背もたれを少し高く上げて、ベッドに座った人の姿が見える。