あなたを憎んでいる…でも、どうしようもなく愛してる
「…桜…まさか…まさか…」
お母さんは驚きで言葉が出ないようだ。
私はお母さんに頷きながら話をする。
「お母さん…そうだよ…まさかの…お父さんだよ。」
すると、お母さんは言葉よりも先に、涙が溢れ出していた
お父さんも私達を見て、驚いた表情をしたが、すぐに涙が流れ出している。
「…本当に…お父さんなの?」
お母さんの絞り出すような、小さな声にお父さんは大きく頷いた。
「…長い間、心配を掛けて…悪かった…私が全部悪い…許してくれ。」
お父さんの言葉を聞いたお母さんは、車椅子の肘掛に手をついて立ち上がった。
そしてゆっくりとベッドの横に近寄ったのだ。
「生きていてくれたのですね…どれだけ心配したと思っているの…でも、夢のようで…まだ信じられないわ。」
お母さんの言葉を聞いて、お父さんは涙を流しながら話を始めた。
「私を助けてくれたのは、そこに居る神宮寺君なんだ。そして7年もの長い間、私の面倒を見てくれていたのだよ。」
「まさか…神宮寺さんが…でも、私達を苦しめたのはこの人でしょ。」
お母さんは信じられないという顔をして、私達の方を振り返ったのだ。
私はお母さんに近づき、両手を握った。
「お母さん、すべては私達の思い違いだったんだよ。」
「思い違いですって?…そんなはずは無いわ。」