クールビューティーな悪役令嬢ですが、おまじない薬を飲んでバッドエンドを回避したいと思います!

「これっ、これっ、私! これぇぇぇぇぇ~~~」

 突然叫びだしたフィルデリア・エーデル公爵令嬢は、むっちゃ流行りの恋愛小説(ちょっとエッチ)「転生ヒロインは、モフモフ畑で溺愛スローライフ!」を読んでいた。

 その流行りの恋愛小説には、転生したヒロインに、その恋路を邪魔する王子様の婚約者、悪役令嬢が登場する。ついでに流行のモフモフも出てきて、極めつけは溺愛ヒーローとスローライフ。ずらっとパワーワードが並んでいて、売れないわけがない、というくらい飛ぶように売れていた。




(Side フィルデリア)

 「転生モフ」あ、長かったから短くしちゃった! その小説には、私と重なる設定ばかり。学園にいるヒロインは庶民出身の貴族、キラキラの王太子殿下、次期宰相候補と言われる天才令息。そして極めつけは悪役令嬢!

 私には、幼い頃からの婚約者がいる。金髪碧眼、容姿端麗、冷静沈着……四文字熟語が似合う、完璧なキラキラ王子様、アイザーク・クロスロード王太子殿下である。そう、私はズバリ悪役令嬢のポジション!

「サリー、サリー、私、悪役令嬢だから、卒業パーティーの日に殿下に婚約破棄されて、捨てられちゃう~!」

 サリーはこの庶民の女子のベストセラーを貸してくれた、優秀な侍女である。ついでに私のうっふんの師匠だ。私が幼い頃から、面倒を見てくれている。

< 1 / 93 >

この作品をシェア

pagetop