クールビューティーな悪役令嬢ですが、おまじない薬を飲んでバッドエンドを回避したいと思います!
「フィルお嬢様、いったいどうされましたか? 悪役令嬢など、お心の清らかなお嬢様がそのようなことにはなりません」

 私は今、貴族の子息・子女の通う王立学園に通っている。アイザーク王太子殿下も、同い年なので同じ学年にいる。もちろん、クラスも一緒。これまで、適切な距離を取りつつも、私は殿下の婚約者として、大切にされてきた。

 でも最近、殿下は庶民出身で、養子として引き取られて貴族になったばかりの、ピンクのふわふわ髪の小悪魔系美女、エレノア・レイ男爵令嬢と仲が良い。

 殿下と一緒に帰ろうとしたら、「これからエレノア嬢の勉強を見てあげる約束をしていてね」と言って、私とお団子を食べに行く約束よりも、彼女との約束を優先していたわ。いつも一緒に食べている昼食も、最近は「学園にいる間は、庶民とも交流しようと思ってね」とか何とか言って、彼女と一緒に学食で食べている。

 まぁ、流石に二人きりで、という感じではいけれど。いつもご学友のエリック様と一緒ですし。

「ほら、サリー、私って、悪役令嬢ポジションでしょ? 王子様の婚約者だし! で、ピンク髪のエレノアさんが、ヒロインなのよ!」

 本とまさしく同じシチュエーション!私は異世界転生も転移もしていないけど、もしかしたらエレノアさんはそうかもしれない! この本のように、もしかしたらニホンとか、ワショクとか、知ってるかも!

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