クールビューティーな悪役令嬢ですが、おまじない薬を飲んでバッドエンドを回避したいと思います!
 一体何が始まるの? おかしいわ、エレノアさんがいないわ。小説では、ヒロインが殿下の隣にいて、私の悪事(イタズラ)を責められるのに。今日は殿下しかいないわ。ついでにみんなに見られているわ。ドキドキしすぎて、息が苦しい。





「フィルデリア・エーデル公爵令嬢、我、アイザーク・クロスロードは、貴方を愛しています。貴方の傍で、これからも貴方を守らせてください。……結婚しよう、フィル」

 なんと、婚約破棄ではなくて、アイザーク殿下はプロポーズしてくれた! ……もう、婚約しているけど。

「はい、殿下! 喜んで!」

 私たちは、学園の生徒の注目を集め、大声援をもらった。私の不名誉な噂も消え失せた。私のモヤモヤも一緒に消えた。

 どうやらあの噂は、殿下と結婚したかったエレノア・レイ男爵令嬢の仕業かもしれないと後から聞いた。けど、はっきりしたことはわからないみたい。

「フィル、誓いのキスをいいかい?」

 そう言うと、殿下は私の顎をくいっと上にあげ、やさしくチュッと唇を重ねた。

「アイザーク殿下、素敵……」

 私はうっとりとした瞳で、殿下を見上げた。

「ダメだよ、そんな煽るようなことをしては。……では、もう一度」

 そう言うと、殿下は額、瞼、頬と順にキスをして、食べるように唇と挟んだ。

「口を開けて……フィル」

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