クールビューティーな悪役令嬢ですが、おまじない薬を飲んでバッドエンドを回避したいと思います!
 薄く開けた私の口の中に、殿下の舌が、ゆっくりと入って来た。私の舌を探しあてると、その舌を舐めるように、絡めるように口内に侵入してきた。私が少し、舌を動かすと、殿下の舌が勢いづいてきて、私の歯列をなぞり、頬の内側を攻め、そして私の舌を吸った。

「んっ、んんっ、――んっ」

 チュパッという音を立てて、殿下は長いキスを終えた。満足そうに、その紺碧の瞳を輝かせて、私を見つめていた。

「……もう、おしまいですか?」

 私が何気なくそう言うと、殿下は「参ったな」と呟かれ、私をお姫様抱っこして、王室専用のサロンへ連れていかれた。そういえば、後ろの方でキャーキャー言われていたわ。

 部屋に入ると、入口のカギをガチャッとかけた。私を膝の上に横に置いたまま、サッと二人掛けのソファーに座る。

「殿下? 部屋に二人きりとなるのは……」

「ん? 今日は卒業パーティーだからね、フィルからプレゼントを貰いたいな」

 そう言うと、殿下は「いいね」と、私の瞳をみつめて聞いてきた。紺碧の瞳が、獰猛な獣のように、私をまっすぐに見つめる。はい、とも、いいえ、とも返事をできずにいると、待ちきれなくなった獣は、私の唇を貪った。

「――ハァ、――アッ……フィル」

 彼の吐息が、声が、私に響く。

「ンッ、ン、――で、でんか」

「アイザーク、ザックだ。フィル」

「んん、ザ、ザック……ふ、ふかい」

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