西園寺先生は紡木さんに触れたい

「大丈夫なの？」


紡木の様子を不安げに見つめながら問いかけた西園寺の言葉に、紡木が「はい。」と頷くと西園寺は嬉しそうに「そう。」と笑った。


「…浴衣、その…素敵だね。似合ってる。」


少し照れを含んだ笑顔を浮かべてそう言う西園寺に、紡木は顔を逸らして「ありがとうございます。」とお礼を告げた。


「…先生って、ロリコン…なんですか？」


ふと真面目な表情をして、まっすぐ前を向いたまま言う紡木の言葉に、西園寺は「違う違う。」と慌てて訂正した。


「紡木さんだから、好きなんだよ。紡木さんだったらきっと、同い年でも好きになってる。おばあちゃんでも好きになってる。」


真っ直ぐを向いたままの紡木の、横顔を見つめてそうはっきりと告げる西園寺に、紡木は恥ずかしくなって俯いた。


「だからロリコンだなんて誤解しないで…。」


そう悲しげに笑う西園寺に、紡木は「はい…。」とだけ返した。


「紡木さんは、僕のことどう思ってる？」


そう問いかける西園寺に、紡木は言葉を詰まらせた。


悪い人ではない。
それどころか優しい人だと思う。

生徒に対してちゃんと向き合っていて、
だから色んな人に好かれてて、

こっちが恥ずかしくなるくらい、
真っ直ぐに私のことを好きでいてくれてるんだって

根拠を聞かれたら困るけど
何となくだけどわかる。

でも…


「私は…」