西園寺先生は紡木さんに触れたい

『ん?ここがいいのか…?』
『あっ、ちょっと…。』
『可愛いなあ、お前は。』



「なあ?俺だよ、覚えてるか?」

「だ、だれ?やだ、」



『…ねえ、ちょっと覗かれてる。』
『あ、ああ。俺の娘だよ。ほっとけ。』
『ちょっと、いやなんだけど。どうにかしてちょうだい。』
『…ったく、しょうがねえなあ。』



裸の男が立ち上がって近づいてきた。



「ずっと、会いたかったよ。」

「やだっ、こっちに来ないで!」



『おーい、花奏も一緒に混ざるか?』
『ちょっとやだー!茂雄さんったら』



やだ、やめて、来ないで。



『「そんな汚い手で触らないで!」』



その瞬間、紡木は皮膚に蕁麻疹がぽつぽつと現れる感覚に襲われた。

触らないで。
こっちに来ないで。


そう言葉に出そうとしても、声がうまく出ないほど息が上がって、走り出して逃げようとしても、よろけて立っていることもままならなかった。


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