西園寺先生は紡木さんに触れたい
「…へえ、じゃあ霧島のためにやってんの?」
「そういうこと。」
「優しいんだな、紡木って。」
真っ直ぐに見つめてそう言う牧野に、紡木は少し照れて俯いた。
「…よっしゃ!じゃあ、俺も手伝うよ!」
「え!?いいって!」
「俺も霧島に恩売っとかなきゃな、はは!」
牧野はそう豪快に笑うと鞄から筆箱を取り出して、まだ何も描いていない画用紙を手に取った。
「とりあえず、この真似をすりゃいいんだよな?」
「え、あ、うん。」
牧野は紡木の携帯に映し出されたお化けを指差すと、シャーペンを握って筆を走らせた。
「え、何これ、意外とむずくね?」
「ね、難しいよね。」
「いや、でも紡木のうまくね?」
「え、そう?…って牧野くんも上手じゃん!」
そう言いながら2人でキャッキャしながらポスター作りを進めていった。
なんか、青春だなあ…。