西園寺先生は紡木さんに触れたい
「霧島が、卒業したら彼女と婚約する為に駅前のコンビニでバイトしてるんだって!
だから、その代わりに手伝ってあげてるって訳。ね、いいやつでしょ?紡木。」
そうどこか自慢げに言う牧野に、西園寺は紡木さんがいい人だなんて君より前にとっくに知ってるし!と悪態をついた。
「今ので俺に貸しができたな、紡木。」
豪快に笑いながらそう言う牧野の言葉の意味が分からず、紡木は「え?」と首を傾げると、「だってさ、」と牧野は続けた。
「女子って全員ケイト先生のことが好きなんだろ?だから株を上げてやろうと…。」
「えっ!?ちょ、ちょっと、私は違う…!いや、違うも失礼だけど…!」
真っ赤な顔をして訂正する紡木に、牧野はキョトンとした顔で「そうなのか?」と返した。
西園寺はというと紡木の「違う!」に思わず大打撃を受けていた。
いや、わかってるけど…。
思わぬ流れ弾を食らって瀕死状態の西園寺が項垂れてると、牧野は「ちょっと先生…?」と言って近づいたかと思えば、「うわっ!!」と大きな声を上げた。
「なに…コレ…。」
牧野が青ざめた顔で指を差す先を紡木も覗き見ると「ひっ!」と悲鳴をあげた。
「何ですか…コレ…おば、け…?」
「えー…エイリアン?」