西園寺先生は紡木さんに触れたい
「何をすればいいの?」
「この絵を真似て描いてほしいんだ。」
牧野は一個横の席にずれると、西園寺に画用紙とペンを渡しつつ、紡木の携帯を指差した。
「…おばけ?」
「うん、俺たちのクラスお化け屋敷するんだ〜!」
「へえ…。」
西園寺はじーっと紡木の携帯に映し出されたお化けを見てから、ペンを走らせた。
「先生たちのクラスは何やんの?」
牧野は画用紙に向かいながら西園寺にそう投げかけた。
「カフェをやるみたいだよ。」
「へえー!行きたい!てか絶対行くわ!な、紡木?」
「えっ、まあ…、うん。」
急に話を振られた紡木は少し動揺しながらもそう返した。
「そのかわり先生もお化け屋敷来てよ!」
「勿論。…楽しみだなあ。」
西園寺は頭の中でお化けのコスプレをする紡木を思い浮かべて、そうポツリと付け足した。
「あ、因みにコレ、紡木が霧島の為に手伝ってやってるのを、俺が手伝ってるって訳。」
突然そう暴露し始める霧島に、紡木と西園寺は「え!?」と声を揃えて言った。
な、なんで、急にその事言っちゃうのー!?
と、焦る紡木の隣では、
は?霧島くんの為?どういう事?
西園寺は嫉妬に塗れた心で疑問に思っていた。