西園寺先生は紡木さんに触れたい

しばらくしてキリのいいところで、今日はもう遅いからということで西園寺は2人に帰るように促した。


「じゃあ、先生、ありがとな!」

「ありがとうございました。」

「うん、お疲れ様。」


そう言うと西園寺は化学室の方へ、牧野と紡木は下駄箱へと向かった。


「紡木って電車通学だっけ?」

「あー…今はバスなんだ。」

「そうなんだ!俺チャリだからさ〜ちょっと羨ましい。雨の日とかも濡れなくて済むじゃん?」

「 確かに。」


紡木がそう言うと、牧野も「だろ?」と言って豪快に笑った。


なんか牧野くんといると心地いいな。
自然と気を遣わなくて済むし。
これが…青春、なのかな。


そんな風に考えてると、ポケットの中で携帯が震えた。


お母さんかな。そういえば今日日勤だって言ってたし、遅いから心配してるのかも。


そう思って携帯を開くと、『普通の人間』からメッセージが届いていた。


一瞬どきりと胸が高鳴って、それを抑えるように、牧野の話に軽く相槌を打ちながら画面を開いた。

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