西園寺先生は紡木さんに触れたい

「落ちても僕に永久就職すればいいんだから!」



冗談めかして言う西園寺に紡木はいつものようにツッコむのかと思いきや、「そっか。」とぽつりと呟いた。

その言葉に西園寺が「そ、そっかって!?」と逆に突っ込むと、紡木は「いや!独り言です!」と言って軽くお礼を言った後、準備室を後にした。



そっか。


考えすぎてたのかも。


先生が軽々しく永久就職なんて言えるほど


実はもっと気楽で簡単なものなのかも。


新しい道見つかれば仕事を辞めてもいいんだし。


人生なるようになるよね。


紡木は軽い足取りで教室へと戻っていった。


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