西園寺先生は紡木さんに触れたい


(こうやって相談に乗ってるうちは誰かが私を必要としてくれてるんだ…)


そう思って相談に乗り始めてもう2年。


そろそろボロが出てくるんじゃないかと紡木ビクビクしていた。



実は紡木…




「彼氏いない歴=年齢!しかもそれだけじゃなくて謎に男性恐怖症!…なあんて言えたらいいのにね…。」


一人でに元気よく呟いたかと思えば、がくりと項垂れた。


物心がついた時から、なぜか男性に触れると蕁麻疹が出て、ひどい時には失神してしまうこともあった。


それだから何と無く男性に嫌悪感を抱くようになってしまった。


本当は恋愛経験0なんてみんなが知ったら、もう頼ってくれなくなってしまうだろう。

またひとりぼっちになっちゃうかもしれない。


そう思ったらせめて卒業までは嘘をつき続けないと、と紡木は心の中で深いため息をついた。


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