西園寺先生は紡木さんに触れたい

そろそろ来るかな、と立ち上がったところで、呻き声らしきものが西園寺の耳に入った。

その声は廊下から聞こえた。

こっそりドアから見てみると…そこには、腕を組みながら廊下をぐるぐると回っている紡木がいた。


可愛すぎでしょ。


西園寺は思わず込み上げる笑いを一生懸命抑えた。

そして一息つくと、ガラガラと準備室の戸を開けた。


「あ、紡木さん、来てくれてありがとう。」


「あ、はは…。」


紡木は驚いて目を大きく見開いたが、すぐに苦笑いを浮かべた。


「ささ、入った入った。」


西園寺が入るように促すと、紡木は観念したかのようにのそのそと入っていった。


< 40 / 367 >

この作品をシェア

pagetop