西園寺先生は紡木さんに触れたい

暫くして西園寺は手に持った大量のプリントをドン、と紡木目の前に置いた。


「あ、え…これ…。」


「あー、これ、2学期にある文化祭の企画書。僕が教師内での実行委員になっちゃってさ〜。今度の会議で使うの。

これを10枚ずつ取ってホッチキスで止めてくれる?で、その束が4つで1人分だからこっちのファイルに入れてほしい!

あ、今日中に終わらせようって考えなくて良いからね。取り敢えず毎日1時間ずつくらいでやってってもらえればいいよ。」


そう言うと西園寺は紡木が座っている机とは別の、自身のパソコンなどが置いてあるデスクに向かって他の仕事をし始めた。


え、ちょっと待って。


10枚×4束=40
40枚×この学校の先生…えっとー
1年から3年まで6クラスあって、
全てのクラスに担任と副担任がいるから…

6×3×2=36

それに担任とか持っていない先生も何名かいるから、えっと、つまり…
1440枚+α…


あれ、もしかして私、すごい重労働押し付けられてる??


しかし既に一度請け負ってしまった事。化学の成績のためなんだ。


そう言い聞かせて、紡木は作業を始めた。

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