西園寺先生は紡木さんに触れたい
「そうだ、救済措置のことなんだけど。」
「あ、はい。」
「放課後、僕の雑用してほしいんだ。」
「…はあ?」
西園寺の提案によっぽど不服だったのか、紡木は思いっきり顔を顰めて彼を睨んだ。
しかしそんなものものともせずに西園寺は続けた。
「いやあ、大変だったんだよ?放課後に補講をやろうにも資料とか上に提出するものがあるし、それ用のプリントだって作らなきゃでしょ?
それに化学なんて、社会に出てもよっぽどのことがない限り使わないものを嫌々学ばせるのも気が引けるし。
僕は精一杯紡木さんのことを考えて、考えて、その結果のことなんだけどなあ…。」
そういわれてみれば、確かにそうかも。
そう思った紡木は少し間を空けてから、「…わかりました。」と告げた。
「よし、交渉成功。じゃ、今日からさっそくやってもらおっかな〜。あ、因みにこの事は他の子に言わないでね〜。」
言われなくても、絶対に、ぜっっったいに!言うわけがない。
紡木はそう心の中で呟いた。