西園寺先生は紡木さんに触れたい

「な、なんですか。」


「何ですか、って、見てよ。ほら。」


西園寺が指差した液晶には『どちらも落ち着きがあるので、浮気の心配なし!最高の相性です♪』と映し出されていた。


落ち着きがある、ねえ。


犬が尻尾を振って喜んでいるようにしか見えないその姿に、紡木はこっそりため息をついた。


「わかったから、邪魔しないでください。」


「ちぇ〜。」


紡木がそう言うと、今度は怒られた犬のように、しゅん、として自分のデスクに戻っていく西園寺に、紡木は(だる…。)と悪態をついた。


今度こそ、黙々と作業を続けよう、と思った矢先、再び西園寺に声をかけられた。


「紡木さんって誕生日いつ?」


「はあ?」


「はい、言ってみよ〜!言わなきゃ化学の成績は保証できないなあ。」


「はあ!?職権濫用!暴力反対!」


「まあまあ。で、誕生日は?」


そう聞かれて、こんなことで成績を落とされてもたまるか、と思った紡木は素直に「12月14日。」と答えた。


「へえ〜。射手座なんだ。…うわ!すご!!牡牛座と一番相性いいじゃん!!…あれ、もしかして、僕たちって…運命?」


「ないです。」


運命という言葉をバッサリと紡木に切られた西園寺は「つれないなあ。」なんてケラケラと笑い飛ばした。
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