西園寺先生は紡木さんに触れたい

西園寺もそこから紡木に話しかける事はなく、気づけば約束の一時間が経っていた。


大体1/3ほど終わった。

西園寺が邪魔したにしては思いの外進んだな、と紡木は満足げにプリントの山を見た。


「あ、もうこんな時間か。ありがとうね、紡木さん。
資料はこのままにしておいてくれていいよ。

あ、ちょっとだけそこで待っててね。」


西園寺はそう言うとパタパタと帰り支度を済ませて、「さあ、行こうか。」と、紡木に一緒に準備室を出るように促した。


「えっと、じゃあ、また明日。」


準備室をでたところで紡木は西園寺に挨拶をして、帰ろうとした。


「ちょっと待って、どこいく気?」


「え?どこって…帰ろうと思って。」


「暗いし、送っていくよ。」


「うえぇ!?いや、いいです!!」


そう言って、紡木は密かに西園寺と2人きりの車内を想像した。…考えただけでなんだか全身が痒い気がしてきた。

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