西園寺先生は紡木さんに触れたい
「体調不良ですか?先生も大変なんですね。」
「ん〜…そうね。」
またもや歯切れの悪い返答に紡木は?を浮かべつつも特に気にすることはなかった。
いや、そんなことよりも…。
紡木の脳裏にひとりの顔が浮かんだ。
般若のような顔をした、蓮が紡木をジロリと睨んでいた。
『誰がクソ男だって??』
「ひいっ!」
「紡木さん?」
「い、いえ、何でもないです…。」
保健室の先生の心配するような声に、紡木は何とか平静を保って返事をした。
もしかして…
私、ちょっとやばいやつに関わっちゃった?
やばいやつの浮気を暴いちゃった?
霧島と紡木は直接の関わり合いは無かったが、同じクラスだから何と無くは知っていた。