雪の国の恋、とけない魔法

すぐ、上月さんの携帯が振動した。


「翔がOKって」


意識しなくともしてしまう。
2人きり。
そんな状況に偶然のようになった、けど、上月さんが望んでくれた、その結果。

ベットサイドの緩やかな光。
花梨の知っていた範囲では、普通ホテルの2台のベットって、一台が壁にピタってくっつけてあって、それから電話の台みたいな、金庫とかついてる台が間にあって、もう一台のベットだったと思うんだけど⋯⋯ 。

ここは2台がまるで大きな一つとベットみたいにピッタリくっつけてある。


「洗面も終わってる? 明日も滑りたいし、寝るか⋯⋯ 」

「⋯⋯  」

「そっち側、使いなよ」


と上月さんは壁に近い方の上掛けをめくり、ポンポンに膨らませた枕2個の上の1個を、頭側にずらして、


「どうぞ」


と言った。
自分はドアに近い方のベットの上掛けをめくって、足を入れ、2個の枕にもたれて座った。

片方をすすめられても⋯⋯ 。
ここで? 私も?
えっ? 


「寝るだけだろ。サークルとかの合宿でも、雑魚寝とかなかった? 」

「あ、はは⋯⋯  」


と花梨がこわばる顔になんとなく非難が感じられたのか、


「あぁ、それとは違うか」


とかつぶやいた。


「女子校だったんですよ、私」

「大学も? 」

「はい、もうずーーーーーっと」

「じゃ、」


と上月さんがニヤリとした。


「ハジメテの夜だね」

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