幼なじみじゃ、いられない。

***


「この辺も結構変わっちゃったんだね……。あ、てんとう虫公園!」


毎日歩いている通学路の途中。

あたしにとっては見慣れたいつもの景色だけど、美波ちゃんはまるでテーマパークにでも来たかのように、嬉しそうに声を上げた。


「すごい、ここは全然変わってないんだね」


あたしより一歩先を歩いて、公園に入る美波ちゃん。


あたしの家のすぐ近くにある、小さな公園。

遊具は滑り台とジャングルジム、それからブランコの3つだけ。


「幼稚園の帰りに、よくここで遊んでたよね」


言いながら、古びたブランコに腰掛ける美波ちゃん。

あたしも美波ちゃんを追うようにブランコに座りながら、「うん」と頷く。


てんとう虫公園……というのは、公園の本当の名前じゃなくて。

公園の入り口にてんとう虫の石碑があるから、みんなそう呼んでいた。


「幼稚園とかめちゃくちゃ雰囲気変わってて、びっくりした」

「もう面影すらなかったよね」


さっき見てきたばかりの、いつの間にか建て替わっていた園舎を思い出して、ふたりして苦笑する。
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