幼なじみじゃ、いられない。
大丈夫。……うん、大丈夫。
大地くんのあんな言葉、真に受けちゃダメ。
美波ちゃんに返事した言葉を、自分に言い聞かせるように心の中で繰り返す。
さっきまで、とんでもなく動揺していたけれど、美波ちゃんと出会したことで少し冷静を取り戻せた気がする。
……きっと、あたしがいちいち動揺するからいけないんだ。
だから面白がられて、あんなこと言われたりするわけで。
だったら──。
「ひなちゃん?おーい、ひなちゃん、聞いてる?」
目の前で手を振られ、ハッとしたあたしは「えっ」と声を上げる。
「あっ、ごめん、何の話だったっけ……」
美波ちゃんが隣で何か話してくれていた。それに気付いていたのに、頭の中は自分のことでいっぱいだった。
「えっとね、今日の放課後、ひなちゃん暇してない?って話」
今日は火曜日。
千明ちゃん達とも特に約束はしていない。
「今日の放課後なら空いてるけど」
あたしが返事すると、「ほんと!?」と美波ちゃんは嬉しそうに笑って、
「子どもの頃の思い出巡りしようよ!」
満面の笑顔で提案してきた──。