敏腕パイロットは契約妻を一途に愛しすぎている

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 那覇空港に到着後、同じ市内にあるホテルに移動してチェックインを済ませた私は一度部屋に向かって荷物を置くと再びホテルの外に出た。

 東京は晴れていたけれどこちらは雨が降っている。バッグから折り畳み傘を取り出して広げると街中へと繰り出す。

 時刻は午後七時なのでそろそろ夕飯にしようと思う。機内で読んだ雑誌ですでにお店は決定済みだ。

 地図アプリを開きながら歩くこと十数分。入口に二体のシーサーが佇む沖縄料理屋に到着した。

 店内に入るとカウンター席とテーブル席があり、この時間帯はまだ客がまばらなおかげで広々とした四人掛けの席に案内してもらえた。

 メニュー表からソーキそば、ゴーヤーチャンプルー、ラフテーを注文。それらがテーブルに並ぶとけっこうな量があり、ひとりで食べるには頼みすぎたかもしれないとちょっと反省する。

 でも今日は午前中に仕事を終えたあと、お昼も食べずに羽田空港に向かったからお腹はぺこぺこだ。だからきっと食べ切れる。

 ひとりで黙々と食事を続けていると、ひとつテーブルを開けた席に座る男女の会話が気になった。

 私とそれほど歳が変わらない二十代後半だろうか。ゴーヤーチャンプルーと海ブドウなどをつまみにしてお酒を飲みつつ楽しそうに話している。
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