八千代くんのものになるまで、15秒


"その対応"っていうのは……まぁ……つまりは、私が梓希くんにキスをするということで。

梓希くんにとってはさらりと出来てしまうような行為なんだろうけど、私にとっては、体中に熱が回って、爆発してしまうんじゃないかってぐらい、ドキドキしてしまうものだから。

一回一回に時間をかけてしまうせいで、キスをしなければいけない回数が溜まってしまっている状況なのだ。



「もうこの制度やめる……」
「はは、残念」

「だって、このままじゃ梓希くんへの誕生日プレゼントがキスだけになっちゃいそう」

「俺はそれでもいいけどね」



放課後の教室で、私と梓希くんの2人きり。
なんてことないように言わないで。

一々意識しちゃって、ドキドキしちゃって、身がもたない。
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