八千代くんのものになるまで、15秒
「はは。なに」
どうして、恥ずかしげもなくそんなことが言えるの。
「むりだよっ、だってこのクラスの人いつ戻ってきてもおかしくない」
「じゃあ、戻ってくる前に早くしないとね」
「こっち向いて」と、そう続ける梓希くん。
なんか……なんかっ。
いつもより強引だ。
襟を引っ張って、自分の首筋を私に見せる。
「はい」って言われても困る。
キスマークとか付けたことない。
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