八千代くんのものになるまで、15秒
──その時。
電話の向こう側でガチャンっと大きな音がした。
お皿が割れたような、そんな音。
「梓希くん!?」
名前を呼んでも反応なし。
ま、まさか倒れて……?
そう考えた瞬間、サーッと血の気が引いた。
慌てて部屋のチャイムを鳴らしても反応はない。
ど、どうしよう!梓希くんが!
もう、頭の中は真っ白で、でもどうにかしなくちゃっていう思いは強くて。
どうにでもなれっ、と思いながら玄関扉のドアノブを捻った。
鍵はあいていて、「梓希くんっ」と名前を呼びながら中に入れば。
「へ……」
「え、蓮、なに……」
廊下に散らばるお皿の破片。
それを梓希くんが拾い集めているところだった。